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2017年9月

2017年9月25日 (月)

「働き方改革」関連ニュース

★電通は変われたか 一筋縄でいかぬ働き方改革

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21HAR_S7A920C1CC1000/

「『事件前には考えられないほど勤務時間が減った。』『仕事量が以前と同じなのに社員が増えず、勤務時間の短縮だけを急激に進めるのは難しい』『都内の女性(24)は今春、体調を崩し、新卒で入社した広告会社を辞めた。電通の下請けが大半で、同社の社員と一緒に働くことも多かったという。「ただでさえ忙しいのに事件後は電通が引き受けられない分をカバーするため、仕事の負担が急増した」』」

電通の現状を報じるニュース。かなり軋轢が生じている様子。
あれだけ巨体だと、すんなりと働き方改革を軌道に乗せるのは難しいというのはやむを得ない。けれど、そのしわ寄せを取引先に回すのはあってはならないこと。経営陣が本質的かつ根本的な対応を考えていかないと現場は混乱するばかりではないかと感じられる。

★フジマキ「『働き方改革』を推進するなら終身雇用制度を廃止すべき」

https://dot.asahi.com/wa/2017091900067.html?page=2

「政府は次の臨時国会の目玉として、「働き方改革」を挙げている。ただ、所得税の累進カーブの修正、終身雇用制と年功序列制の廃止を盛りこまないと、抜本的改革など無理なのだ。米企業では、労働者全員が明日にでも解雇される恐れがあり、全員が非正規とも言える。望まない転勤を強いる企業はない。同一労働は同一賃金だ。クビを切られたり、閑職に追いやられたり、定年後の仕事の斡旋がなければ、生活のめどを失う。転職市場が米国ほど発達していない日本では、非常に怖い話だろう。終身雇用制が、国の基幹政策さえも誤らせているのかもしれない。」

今だに、短期思考の欧米型成果主義経営を礼賛する評論家がいるとは驚き。モルガン出身のようで、弱肉強食、優勝劣敗の価値観がこびりついているのだろう。少しは人本経営実践企業を学んでほしいものだ。せめて伊那食品工業の経営を理解して語られたらどうかと思う。日本維新の会の国会議員でもあると経歴にあるが、大丈夫なのかこの政党。

★働き方改革関連法案 閣議決定を見送りへ 衆院選後に

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170920/k00/00m/010/105000c

「残業時間の上限規制が当初予定の2019年4月から実施できない可能性も出ている。厚労省幹部は「通常国会は来年度予算の審議が最優先」と語り、法案審議が遅れることを危惧する。成立が遅れれば、19年4月予定の施行がさらに遅れる可能性が高いためだ。連合の神津里季生(こうづ・りきお)会長は「法案審議の先送りは問題だ。過労死をゼロにするため、残業規制は一刻も早く措置すべきだ」と述べた。」 

結局、政局で安倍首相が最大の懸案としていた働き方改革関連法の成立が先延ばしになる可能性が高まってきた。準備してきた方は梯子を外された格好で釈然としないだろう。これで気が抜けて、骨抜き状態になっていかないといいが。まあ、法律が真の働き方改革を実現するための最重要事項ではないのでそれほど気にはしないけれど。

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第703号『マネジメント革命「管理から支援へ」』

拡大再生産を追い求めてきた従前の売上至上主義の業績軸経営では、大量生産、大量消費を実現するためには、なにより効率が最優先されて、巨大なピラミッド組織を「管理するマネジメント」が絶対的に重要視されてきました。

しかし、時代が変わり、社会にはモノがあふれ、国民のニーズは多様化してきました。製造業では多品種微量生産で収益性を確保することが求められ、サービス業では消費者は価格だけで行動選択するのではなく、楽しさや感動といった付加価値を提供することが求められています。

効率性だけを追求していては多様なニーズに応えられない時代にあって、経営のあり方を根本的に考え直さなければならない状況下にあります。

そして、これからの時代も顧客に満足感を与える仕事を生み出すのは、社内外の社員以外ありえません。やりがい、働きがいに満ちて、モチベーション高く仕事をする社員を輩出していかない限り、企業の未来はありえないという厳粛な現実が今、ここにあります。

さらに未曽有の少子高齢化が、わが国から生産年齢人口を奪い続けていき、慢性的な人手不足状況から長い間、抜け出すことは出来ない未来が続いていきます。ほぼその状態が永続するといって差し支えない感覚といえるでしょう。

このような情勢下で、いまだに「代わりの社員はいくらでもいる」と、人をモノや道具としてしか捉えられない経営者が存在しているのも事実でしょう。現有の社員が労働力として確保できる限りにおいては経営を続けていくことが出来るでしょう。人を大切にしないからといって、明日、明後日に経営が傾くわけではありません。しかし、十年先、二十年先にどうなっていくでしょうか。確実に三十年先はこの世からその存在がなくなっている確率はとても高いでしょう。

■管理から支援へ

発想を変える必要性が生じています。管理されているなかで、人はやりがい、働きがいを満たしていくことに限界を感じるであろうことは誰が考えても理解できるはずです。しかし、長年慣れてきた上意下達の社内での人間関係のあり方が、これでいいと思考停止を招きます。

人本経営に成功している会社の多くが、なぜフラットな組織をつくっているのか、役職呼称をやめて「さん」付け呼称にしていくのか、その理由がここにある訳です。これまでの悪しき風習を打破するためには労使という上下関係ではなく、わが社は同志、仲間あるいは家族といった絆をベースにした人間関係を築いていくという意思表示をしているのです。

そうした組織では、トップやリーダーには管理ではなく「支援するマネジメント」が絶対的に重視されてきます。では、何を支援するのでしょうか。それは言うまでもなく社員一人ひとりが、やりがい、働きがいを満たしていくための支援にほかなりません。

仕事の最期の日、この会社で働いていて「いい人生だった」と社員が感じることが、最高のやりがい、働きがいの到達点です。そういう状態になるためには、何を大切にしていけばよいか、優先順位を考えてマネジメントをしていくのです。

「いい人生だった」という言葉は、幸せ感をもっていなければ出てこないことは明白です。人にとって最も幸せの根幹に関わることは、家庭円満にほかならないでしょう。だから人本経営を成功させた経営者が、いの一番に「仕事の都合より家庭の事情を優先していい」という経営方針を示すのです。まさしく仕事と子育て、あるいは介護との両立支援です。

そうした支え、サポートを感じて、社員は幸せを守ってくれる会社にいることへの喜びを噛みしめ、お客様にもっと喜んでもらえるように仕事に打ち込んでいこうとモチベーションを高めていきます。どうすればもっとお役に立てるか考え出し、創意工夫を重ねていくようになります。その結果、多様な顧客のニーズに応えられるようなアウトプットが生み出される可能性が高まっていきます。会社に対して改善提案も自主的に図られていくことでしょう。会社も社員の能力を向上させる教育への投資を惜しまなくなり、人材育成が実現していきます。すると、さらに出来ることの質と量が広がり、より社会に必要とされる存在に企業が発展していきます。社風がよくなり輝き出した企業体には、人本主義に親和性の高い若い世代が反応して人材確保にも困らなくなります。こうして善循環のサイクルが実現していくのです。

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2017年9月19日 (火)

「働き方改革」関連ニュース

★人事評価、時間から質へ

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2118970015092017EA5000/

「時間から質の重視へと仕事を転換するため、人事評価の基準を見直す動きが広がり始めた。オリックスは全社員を対象に賞与に関わる人事考課の評価の仕方を変える。これまでは勤務時間にかかわらず、成約件数やリースの取扱高などを評価していた。今後は同じ成果であれば短い勤務時間で業務を終えた社員の評価を高める。」

生産性と評価制度を連動させようとする意図はわかる。
しかし、これも制度より風土が成功の鍵と思う。
社員同士の相互信頼関係がない会社や組織でこのような評価制度が入れられたら、利他性はさらに棄損され、ギスギスしていくことは火を見るより明らか。
制度よりも誰かに負担がかかるような仕事の進め方になっていないか充分な話し合いを行い、誰かが抜けても労働時間が偏らない仕事の進め方を、皆が納得するようにマネジメントしていくことが先決だろう。

★外食、苦肉の省力調理 求人倍率3倍、確保難航

https://www.nikkei.com/article/DGXKASDZ12H2Y_R20C17A8MM0000/

「人手不足に悩む外食企業が省力化投資を進め、調理作業を効率化する。「築地銀だこ」を運営するホットランドは専用の自動たこ焼き器を全国の店舗に順次導入する。グルメ杵屋は手打ち実演が売り物のうどんチェーン「杵屋」で製麺機を導入する。調理や接客・給仕の有効求人倍率は3倍台と高い。競争が激しい中、人件費の増大を抑え、価格への転嫁を極力防ぐ。」

ピンチをチャンスに変える競争が外食の現場では始まっているということを伝えるニュース。無理と思わず、どうしたら出来るか。この問いかけに考えて人間らしい答えを出していく企業が、今後生き残っていくことだろう。
どんな進歩があるのか期待して見守りましょう。

★「働き方改革ブーム」に物申す? "高い広告費出してまで伝えたいメッセージ"とは

http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/13/cybozu_a_23208414/

「「なんですか、そのありがた迷惑なプレミアムフライデーとやらは」  業務効率を向上させるためのサービスを提供する会社「サイボウズ」が、「働き方改革ブーム」に対し、意見広告を掲載した。」

サイボウズが間違いだらけの働き方改革を批判する広告を出したというニュース。
たしかに、変な方向に行きかねないと危惧される事案が増えてきている。
特に厚生労働省系の政策は陳腐なものが多すぎる。
正社員比率を高めるため、非正規社員を正社員にすると助成金を支給する制度など顕著である。この制度のせいで、どれだけ本来最初から正社員で雇用されていた者が非正規社員として雇用されるようになったことか。
来年度も労働時間関係でえげつないものが用意されている。
助成金をばら撒いて政策誘導しても、決して本質的な働き方改革は進まない。
むしろ行政は旗振りだけをして、あとは企業の自助努力に任すべきだと思う。

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第702号『人本経営の「守破離」』

最近、ベンチマークさせていただく先で、人本経営に成功している経営者から立て続けに成功の理由として挙げられているキーワードがあります。

それは「守破離」という言葉です。

「守破離」は、武道、茶道、芸術、スポーツなどにおける修業の理想的なプロセスを3段階で示したものといわれています。

…師や流派の教え、型などを忠実に守り、確実に身につける段階

…いままでの教えを基礎とし、自己の知能や個性を発揮して次第に自己の道を創造し型を破る段階

…それらに創意を加え、自分独自のものを追求し確立する段階

いわば「守」は基本ということです。書道ならば楷書をしっかりとできるように鍛錬する段階ですし、将棋では定石といわれる戦法の基本的な考え方をしっかり理解するということです。ここでは、我流にならないように、師範や先代の教えを素直に謙虚に学ぶ姿勢が何より重要です。

そして、型が身に着いたら、「守」の段階でとどまることなく、己の感性を発揮して、よりよくしていくための変化を起こす挑戦をしていくことが必要です。

時代や環境は常に変化しますから、それまで適合していた基本も、時として応用を重ねていかなければならない局面が来るのは当然と言えるでしょう。

師範や先代の教えに明らかに疑問が生じる事態が発生しているにもかかわらず、ここで己を活かそうとせず沈黙してしまうのは、いわゆる太鼓持ちといわれる状態になってしまうということです。

師範や先代の周りにはイエスマンだらけになり、判断を誤らせるリスクも高くなってしまいます。

疑問をそのままにせず、それを解決するための創意工夫を重ねていき、改良を加えていくことが「破」ということになります。ここで大事なことは「守」で得た本質的な原理原則については逸脱しないということです。

原理原則を忘れて「破」に進むのは、型破りではなく形無しであって、元も子もなくなります。

■社会にとってよりよい結果をもたらす「破」が理想的な「離」をもたらす

「破」の段階では、無謀だとか、非常識だとか、出すぎだとか、抵抗勢力に抗われたり、出る杭状態でバッシングされたりすることが往々にしてあることでしょう。

しかし、「破」を実践していくことが、「守」の理念を結果として守ることになり、これからの社会にとってより有益なものを創造する道につながるという実践者の信念と本気の覚悟と決断が、現状突破を実現させていきます。

この段階で実践者の利己が透けてみえてしまえば、「離」での成功は望むべくもありません。

業績軸から幸せ軸への転換を実現していくことが人本経営に至る「破」の段階です。

多くの人本経営成功者はここでの苦労談と回想をよくされますが、自利利他でコトにあたり、この道こそ社員、取引先、顧客の幸せ増大につながると信じて、ぶれずに一歩ずつ前へ進んだことで、誰もが絶賛する「いい会社」という理想的な「離」を実現しているのです。

■人本経営の「守破離」はエンドレス

うならされるのは、理想的な「離」の段階にあるのではないかと思う人本経営者が、さらに次なる「破」の行動に打って出ていくことが少なくないということです。

決して現状に満足することなく、さらに世のため人のため行動に駆られていくのです。

満足度を高めるのではなく、幸福度を高めていく人本経営は、理想に向けて「守破離」を永続的に繰り返す経営なのだと悟らされます。

だからこそ腐敗せず、永遠に輝き続けていく会社が実現できるのだと学ばされています。


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2017年9月11日 (月)

人本経営の実践に役立つ記事

★年収800万円を超えると幸福度は上昇しなくなる

http://diamond.jp/articles/-/141130

年収800万を超えても幸福度はお金の多寡では増大しないということです。金銭的報酬は、ある程度の水準以上になっても、それによって満足度を高める効用がなくなると言ってきましたが、具体的な額が提示されました。ひとつの目安として参考にしていいかと思います。

ただ800万円の年収を実現するのはそう簡単ではありませんね。動機づけ理論では、お金は「衛生要因」、つまり満足より不満を引き起こす要素となります。なので、そこに至るまでは世間相場以上の給与水準であると社員が自覚できていればいいと人本経営ではあり方を考えています。

感覚的にいうと、卒業後同窓会に行って、「あぁ、自分はみんなよりいい報酬もらえているんだな」と感じられる水準です。そうすると「会社はよくしてくれているんだな。毎月、世間に比べ悪くない報酬をいただけていることはありがたいこと」と感謝の念が生まれてくることになります。

一生懸命いい仕事をした結果、安定的に生活に困らないお金が提供されることはなによりの幸せの源泉で、人生の見通しをよくしてくれます。お金を味方にする生き方をしていきたいものです。

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「働き方改革」関連ニュース

★“宅配トラック”駐車規制緩和へ、働き方改革の一環

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3151314.html

「警察庁が集配中の宅配トラックに限って駐車規制を緩和する方針を固めました。これは政府が進める「働き方改革」の一環で、警察庁は規制を緩和して集配中の宅配トラックに限り、短時間、駐車できるスペースを増やす方針を固めました。都市部では集配先の近くに駐車スペースがない場合、宅配ドライバーが離れた場所に駐車して荷物を運ぶケースもあるということで、運送業界からは負担軽減のため駐車スペースを増やすよう要望が出ていました。具体的には新たな駐車場の整備が難しい都市部で、マンションや雑居ビル周 辺の道路などが対象となる見通しです。警察庁は今年度中に通達を出し、数年かけて徐々に増やしていく方針です。」

これは警察グッドジョブではないでしょうか。こういう柔軟な対応を行政がしていくことで企業経営の現場の働きやすさに貢献していく。いいと思います。

★ここまでするぞ!働き方改革 休暇中は業務連絡NG 仕事終われば30分前退社 全社員の前で副業公言

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20776580V00C17A9NZBP00/

「・全社員に年1度、連続9日間の休暇を義務付けているもの。休暇の強制取得なら他社でも聞くが、同社がユニークなのは仕事に関するメールや携帯電話のやり取りを禁止していることだ。休暇中は会社との連絡を完全に絶つ。「山ごもり」と名付けた理由がここにある。
・正式な終業は午後5時30分。だが、その日の仕事を終えていれば30分繰り上げて退社できるルールがある。効率よく働く意識が社内に浸透しているので社員の残業はほぼゼロだ。
・専業禁止を掲げて、社員に副業を推奨する。」

ユニークな事例が3つ紹介されています。働き方改革のやり方は、他社にとっては非常識でもその会社にとって好ましい、ありえるのなら全く問題ない。むしろユニークだからこそ自社の経営にメリットが多いこともあるだろう。そして、より働きやすさ、働きがいを増す具体的な答えは、会社ではなく、社員の頭の中にある。対話量を増やし、社員からの要望、要請事項をいかにうまく引き出せるか、これができる会社が働き方改革に成功するのである。

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第701号『「人を大切にする経営」実践企業の研究44 ウィンテック ~ ミスターいい会社』

愛媛県東温市にあるウィンテック株式会社を視察させていただきました。

駄場元定生社長の実践する経営は、まさしく人本経営を地で行っているといって過言ではありません。

Photo1

現在、経営方針として固めていることは次のとおりです。

  1. 会社を大きくしないこと
  2. 遠いところに仕事を求めないこと
  3. 社員を大切にすること
  4. 良い協力会社組織を編成する

1980年の創業当時は、「お金を儲けたい」という気持ちが強く、懸命に仕事をしていましたが、結局儲からなかったということです。それには理由があって、当時は大きな勘違いをしていたと回想されています。

■大きな勘違いと思い込み

  1. 会社は限りなく大きくしていくことが使命
  2. 良い仕事は遠いところにある (大阪・東京)
  3. 仕入れを値切って、お客様から最大限に儲ける
  4. 会社のために一番仕事をしているのは私、会社は私のためにあって、社員は会社のためにある

こんな調子で経営をしていたので、当時在籍していた3名の社員は全員辞めていったそうです。

そんなときに、商談で行った東京の優良企業の経営者からいくつかの会社名を提示され、これらの会社はすべて愛媛の会社だと言われ、「地域でも十分にやっていけるのだから背伸びをしないことだ」と諭されたのです。悶々としていた駄場元社長は、これで目覚め、これからの経営のあり方を冒頭の経営方針を実現していくために舵を切っていったのです。

今でこそ紙おむつなどの生産ラインで長い帯状の原紙を高速稼動させる時のズレを解消する「蛇行修正機」という主力商品が開発され、大企業の製紙会社にとってなくてはならない存在になっていますが、下請けの時代もあったそうです。その時に、「こういう会社はついていきたい、こういう会社は二度と御免だ」と感じたと言います。そして、ついていきたいと思えるようなあり方を実現実行していきました。

■本当の仕事

社員に対しては、『本当の仕事』という冊子を渡し、思いを伝え、共通の価値観を育んでいます。そこにはこう書かれています。

  • お客様が喜ばないのは、仕事じゃない
  • 楽しくないのは、仕事じゃない
  • 儲からないのは、仕事じゃない
  • もっと良い物つくろうと思わないのは、仕事じゃない
  • お客様の要求が厳しいのは当たり前
  • そうでないとお客様も生き残れないから
  • 協力会社のおかげと信頼関係に敬意と感謝をもつ
  • 協力会社はお客様と同じ、無ければわが社は生き残れない
  • 協力会社も納期と利益がなければやれない

紙面の都合ですべてを掲示できませんが、読んでいるだけで心が動かされる13の徳目と43の心構えが示されています。

お客様第一で考えていくが、社員の努力を感じない相手は客ではないと斬られていました。

こういう会社をまさしく「いい会社」というのだと滞在中ずっと感じさせられた視察でした。

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2017年9月 4日 (月)

「働き方改革」関連ニュース

★待機児童、減らぬワケ 3年連続増2.6万人

https://www.nikkei.com/article/DGXKASDF01H0R_R00C17A9EA2000/

「保育所に入れない待機児童が増え続けている。厚生労働省が1日発表した全国の待機児童数は4月1日時点で前年比2528人増の2万6081人。女性の社会進出のテンポが予想以上に速いことに加え、保育所のニーズが集中する都市部で十分な施設を供給できない需要と供給の乖離(かいり)が広がっているためだ。政府は新たな「子育て安心プラン」で待機児童の解消を3年先送りしたが、財源確保と同時に原因を見極めた対策が必要となる。」

働き方改革関連の来年度予算が大盤振る舞いというニュースが流れている一方、出生数の減少や、待機児童が増えたというニュースも報じられています。こういう数値こそ改善していくのが真の働き方改革の政策実現でしょう。掛け声だけで実態が伴わないのでは今後、無策とのそしりは避けられなくなります。本腰を入れて本質的な改善を実現できる政策導入を望みたいものです。

★働き方改革で帰宅早まる? 午後5~10時台の電車利用増

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ31H74_S7A900C1MM8000/

「東京地下鉄(東京メトロ)によると2014年度からの3年間、平日の午後5時台~同10時台の利用は増加傾向にある一方、午後11時台から終電は横ばいだった。同社は「早い時間帯に帰宅していると推測できる」と指摘。企業などが働き方改革を進めていることが鉄道利用の動向に表れているとみられる。」

まあ、ありえそうな記事です。働き方改革に加えて通勤改革も実現できるといいですね。人本経営を実践している会社では、より会社の近くに住居を構えると、住宅手当をより多く支給しているケースがあります。無駄なエネルギーをなるべく使わず、快適に出勤・帰宅してもらうというのは毎日のことなのでとても重要ですね。

★働き方改革に挑む医師が解雇、不当と提訴

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201709/552584.html

「病院の労働環境改善のために過半数代表者選挙に立候補し当選した医師が、代表就任後2カ月で解雇された。医師は不当解雇に当たるとし、地位確認などを求め鹿児島地方裁判所に提訴。会見した原告医師は、被告病院について「認知症や高齢者の神経難病などの診療で、現場は非常に良い医療を行っている。しかし、労働環境の面では改善点が多く、従業者の犠牲の上に成り立っていたのも事実だ。離職者も絶えないことから、労働環境を改めて、まずは離職者のない職場にしたいと思って経営者に改善策を要望してきた。しかし、このようなこと(解雇)になってしまった」などと語っている。そのうえで「今回は逃げない」とも発言し、病院で働く従業員の声が経営者側に認められるまで闘う覚悟を示している。」

いまだにこのような労務をするところがあるとは。詳細は記事だけではわからないのでコメント差し控えますが、従業員代表を解雇とはあまりに印象が悪い。病院側も対応を誤ると大ごとに発展するのではないかと感じてしまいます。

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第700号『700号メモリアル~企業社会の近未来予測』

当通信の700号目の発行となりました。継続してご愛読いただいている皆様からのご支援の賜物と心より感謝いたします。600号発行からおよそ2年かけて到達いたしました。正月とGW以外は毎週書き続けていますので、100号書くのに2年かかるという訳です。

人本経営の重要性について毎週伝え続けてきました。周りで人本経営に成功し、素晴らしい会社になってきたという事例が増え続けています。そして、先進していく人本経営にうならされることが多くなっています。今週はメモリアル号なので、これから企業社会で起きて来るだろうと予測されることを挙げることにチャレンジしたいと思います。

■これから企業社会で起きてくること

□従来の会社という概念の次元を超えた会社が登場する

人本経営が進化・深化していく会社では、その存在はもう従来の会社という概念で説明できない次元に到達していきます。その存在そのものがパワースポットになるような会社が現れてきます。すでに伊那食品工業はそのような存在になっていますが、まるで神社や仏閣のように人々に神々しさを感じさせるような会社が出現してくるでしょう。2010年からいい会社づくりに関らせていただいている大阪のヘッズは今年、この領域に達したと感じています。

□社会企業を実現する平成生まれの経営者が目立ち始めるようになる

平成生まれも早いもので30歳に到達し始めます。当然といえば当然かもしれませんが、彼ら彼女らの世代から起業家が輩出されてくることになります。しかし、これまでの経済合理性と効率を最優先させた経営者とはまるで違う色合いを感じさせてくれるはずです。すでに大阪のミライロの垣内俊哉社長はこのタイプで、「障害を価値に変える」という極めて社会性の高い事業で抜群の業績をたたき出しています。平成の起業家は、際立った社会性と営利性を融合させる会社を世に生み出してくれることでしょう。

□新卒採用に全く困らない会社と新卒採用が全くできない会社に二分される

これもすでに現象化しつつありますが、新卒が殺到する会社と見向きもされない会社の二極に顕著に分離していくことになるでしょう。これは採用のテクニックの問題ではありません。今どきの若者の多くは肌感覚で、幸せを念頭にし、幸せを創出しようとしている会社かどうかを察知します。表層で繕っていても、社風がにじみ出てくるので、社員の幸せを二の次にしている会社に若者は寄ってこなくなるでしょう。

□育児、介護など家庭の事情を優先して働くことが企業社会の常識となる

ますます生産年齢人口の減少が深刻に進み、人手不足状態社会が一段と各社の経営に影響を及ぼしてきます。もはや子育てを理由に会社から貴重な人材を失うことを止められない経営者は失格となります。当たり前に育児休業を取り、復職するようになり、それに伴って柔軟な働き方も一気に企業社会に浸透していくことでしょう。同様に家族の介護もまた同じような流れを辿っていくでしょう。こうして徐々に、家庭の事情を優先して働くことがわが国全体の企業文化になっていくとみています。

□管理型マネジメントから支援型マネジメントへの転換がいっそう進む

ピラミッド組織を軍隊的に統率する組織マネジメントは急速に瓦解し始めています。それでは多様化する社会ニーズに応える付加価値を提供できなくなってきているからにほかなりません。大量生産・大量消費がこれからも持続できる一部の生活必需品のような商品開発を実現できる会社はともかく、多くの企業では現場で活動する社員の自律・自発性が顧客満足に直結する成功のカギとなります。このため、現場の支援、サポートをすることがリーダーの重要なミッションとなります。従来の常識や発想を捨てないと実現しにくい経営課題となりますから、これにいち早く成功できると、持続可能性が格段と高くなっていくことでしょう。

このほか、「大企業・有名企業でその会社が本当に人を大切にする会社かどうかが明白になってくる」「精神障がい者の雇用が一段と増進する」といった項目も想定されます。およそ2年後に発行となる800号での検証を楽しみにして、700号のレポートを終了することにいたします。

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