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2017年6月

2017年6月27日 (火)

「働き方改革」関連ニュース

★経済産業省委託「働き方改革に関する企業の実態調査」結果公表

http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000377.pdf

「長時間労働の原因に対する意識として、全体で最も多いのは「管理職(ミドルマネージャー)の意識・マネジメント不足」(44.2%)で、次いで「人手不足(業務過多)」(41.7%)、「従業員の意識・取り組み不足」(31,6%)の順となっている。なお、「長時間労働は行っていない」は18.0%に留まり、多くの企業は何らかの形で自社が長時間労働を行って いるという意識がある様子。」

トップやリーダーが、「より残業している社員が会社への貢献度が高い」という意識を捨てなければ、長時間労働の是正はむずかしいことは明白。
本気で適正な労働時間で生産性を向上させていく所まで場づくりを目指すことが肝要といえる。

★モーレツ社員も働き方のひとつ

http://allatanys.jp/blogs/4519/

「最近の「働き方改革ブーム」に少なからず違和感を覚えてしまいます。・・・今の経済大国・日本があるのは「モーレツ社員」のおかげでもあるのです。・・・彼らの家庭や家族をも顧みず会社や上司の命令のままに働く姿は、戦場での兵士に例えられたほどで、戦後の高度経済成長を支えました。・・・プライベートな生活を犠牲にしてまでも企業に貢献する姿勢が今の社会の礎であることを忘れてはならないと思うのです。」

今どきの学生がこんな思考をするとは驚き。学生の意見に口角泡を飛ばすつもりはないが、不見識といわざるを得ない。
執筆者が指摘するように、企業戦士、果ては社畜とまでいわれ、長時間労働を強いられ、家庭での居場所をほとんど失ったサラリーマンが高度成長の原動力となったことは間違いない。
しかし、そのツケが、今回ってきていることを理解しないとならない。家庭生活のことを職場で言おうものなら、甘っちょろいと出世コースからの離脱を余儀なくされたモーレツ社員たちは、子づくり、子育てという人として大事な時間がなくなり、結果として少子化社会を生み出す根本原因になっている、というのが本質をである。実際、高度成長を支えた頃の企業経営では、「家族」という概念がステークホルダーから抜け落ちていた。幸せ軸の人本経営が、いの一番に大切にすべきステークホルダーとして「社員とその家族」を挙げるのと好対照である。
現象面ではなく、本質面から問題解決のアプローチをしていくよう努力してほしいものである。

★「人を大切にする経営」拡大 推進団体が中国支部

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18061120T20C17A6LC0000/

「社員や顧客など、企業に関係する人の幸せを重視した経営学を研究する「人を大切にする経営学会」(会長・坂本光司・法政大学大学院教授)は23日、中国支部を設立した。中国5県の企業に人を大切にする経営を広め、年1回実施する表彰制度「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」へのエントリーを促す。同日、中国支部設立を記念して広島市内でフォーラムを開催。地域企業の経営者など約150人が参加した。フォーラムでは同学会会長の坂本氏の講演や、もみじ銀行、セリオ(岡山市)といった地元企業の役員らが登壇し、自社で取り組む社員や顧客、地域に貢献する経営のあり方について話した。もみじ銀の神田一成専務は「経営者が会社や社員、地域を大切に思っている取引先は、銀行としても安心できる」と話した。女性活躍や働き方改革で、働きがいのある職場を作るという。」

人本経営の実践イコール働き方改革の実現。
この認識が広がり始めていることを伝えるニュース。
日経がこういう記事を発信する時代になったのだと、しみじみ時代の流れを感じる。
さらに前へ前へ。

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2017年6月26日 (月)

第690号『希望職種よりも働きやすさを優先する今どきの若者』

ここのところ経済の最先端である物流のトップ企業、ヤマト運輸での働き方改革関連の動向をレポートしています。

その物流界の総合専門誌の最新記事が興味深いので紹介させていただこうと思います。

★積極的に仕事の魅力発信 「働き方改革」で変わる人材採用

 http://www.weekly-net.co.jp/logistics/post-13349.php

「昨年、大企業の長時間労働が相次いで発覚したが、今年の就職・採用活動におけるテーマは、まさに「働き方改革」ではないだろうか。企業側も離職率や残業時間など積極的に開示するようになった。隠すと求職者から不信感を持たれてしまうというのが一因のようだ。企業の開示姿勢や内容によって、企業が従業員をどれだけ大切にしているかも判断されるようになってきている。今後の就職活動・採用活動は、日本の労働環境そのものを変える可能性も秘めているのではないだろうか。中小企業も、その変化の波に乗り遅れてはならない。」

まるで当通信のような書きぶりでレポートが始まっています。まさしくそのとおりとしか言いようがありません。

「中小企業が有利な点はどこか。第一に、採用の現場に経営者が直接立ち会いやすいという点がある。面接時に自分に向かって熱意を見せ、話してくれた社長は印象に残りやすい。直接、求職者に語りかければインパクトがあるのではないだろうか。」

これまた先月末に発行した当通信第686号『大企業との新卒獲得合戦に勝つ採用のあり方とは』で指摘した内容と同様の趣旨が述べられています。

■人本経営の実践で最も効果が出やすい採用

人本経営を実践している企業から「人材採用について好転している」という情報がフィードバックされることが多くなってきています。

2010年に「幸せ制作会社」に社是を変え、人本経営を前進させている会社があります。今年入社した新卒者の中には、この社是が目にとまり、同社を知れば知るほど「絶対にここでしか働きたくない」という思いを募らせて応募し、採用された人がいます。希望が叶って入社した後は、偽りのない幸せ軸経営のなかで、極めてモチベーション高く働いています。

昨年から人本経営の実践を始めた保育園では、みるみる社風がよくなっています。同園に子供を預けている利用者の保育士が「ぜひ転職したい」と履歴書を持参して来たり、ホームページを見た新卒予定者が「採用してほしい」と熱いメッセージを送ってきたり、ということが実現しています。保育士は、5倍といわれる有効求人倍率の中で人材の争奪戦になっていますが、求職者が向こうからやってくるという理想的な状況を実現しているのです。

同じく昨年から人本経営を実践している製造業では、就活の求人広告や会社説明会で「当社は明確に業績軸から幸せ軸へ経営の舵を切り、社員が働きやすい会社を本気で目指している」と打ち出し、あっという間に10名の採用を実現しています。

実は、人本経営を実践していくと、その効果を真っ先に感じられるのが、この「採用」なのです。

人を大切にする経営理念を定め、その思いを社員一人ひとりと実現にむけて誓い合う行動基準が定められると、「わが社が大切にしていることは社員が幸せになっていくこと」というメッセージが求人広告や会社説明会でインパクトをもって求職者に伝わります。特に人本主義に親和性の高い平成世代には、確実に届きます。まさしく、中小企業が大企業に比して遜色ない活動が出来るのです。こんな素晴らしいことはないのではないでしょうか。

前出の幸せ制作会社の新卒の一人は、ブライダル産業に入ることを夢見て就活にのぞみましたが、そこで働く社員たちに幸せが見いだせずにいました。そんな折、同社の存在を知って入社してきました。このことは、今の若者は知名度・規模・希望職種よりも、働きやすさ・信頼できる仲間の方を優先していることを示しています。「何をやるかより誰とやるか」、ここがこれからの採用の突破口になるのです

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2017年6月19日 (月)

「働き方改革」関連ニュース

★「働き方改革」 求められるのは有給休暇の取得しやすさと残業削減

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000274.000001551.html

「働き方改革」という言葉を聞いたことがある人に対して、どの程度知っているかを聞いたところ、「自社では取り組んでおらず、新聞やテレビ、他社の事例を見聞きする程度」が85.8%を占めています。今後自社でも取り組む予定、既に取り組みがなされているという人は、それぞれ10%未満にとどまっています。」

政府関係者がみたら結構ショックを受けそうな調査結果。
認知はされてきたが、実際の現場では手つかず状態の職場が9割ということである。経営者が本気にならなければ、働き方改革は動かない。まだ本気になっているトップが少ないということだろう。
でも、進めないと人手不足問題は解決できない。
社員が辞めないハッピーな職場を人本経営を実践して実現する。
それで自然と働き方改革も実現していく。
いずれするなら早く決断したほうがいい。

★「70歳定年」前提に雇用改革を

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO1761362013062017SHE000/

「高齢就業者を積極活用するための仕組みづくりこそ、中長期的に見れば優先度の高い課題といえよう。私は「70歳定年」制の導入が有効と考える。70歳までの継続雇用ではなく、70歳まで正社員として位置づけるのがポイントである。」

ほぼ同意できる。60歳で定年とし、その後給料を下げて継続雇用する現在の高年齢者雇用安定法は多くの企業に誤った高齢者雇用のあり方を普及させてしまっている。ここを是正していくことはかなり現実的であるし、実効性も高い。

人本経営実践企業では、高齢者が自分自身の職業人生の最後を自らが決めるという最大の労働者尊重を実現している事例がことのほか多い。

★「会社が儲かる」ための働き方改革で本当にいいの?──経営者が変わらなければ、結局何も変わりません

http://www.huffingtonpost.jp/cybozu/hatarakikata-kaikaku_b_16890696.html

「経営者が変わらなければ何も変わらない。それどころか歪みは現場に行き、現場が疲弊する。経営者が経営を改革しないから、魂のない制度と使われないシステムが導入され、現場にはそれが透けて見える。」

経営者自身が変わらなければ、結局は何も変わらない。
お説そのとおりであるが、働き方改革には、「ツール×制度×風土」改革が必要、というのは意義あり。ツール×制度の前に風土づくりのほうが優先度は確実に高い。ツールや制度が整備されても、それを使うことに理解のある風土がなければ働き方改革は前進しないことが明白だからだ。

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第689号『追い求めるのは、満足度ではなく幸福度』

CS(顧客満足度)とES(社員満足度)の関係性について「高いESがあればこその高いCSが実現するので、まずもってESを向上させることが重要である」という考え方がだいぶ普及してきたように感じます。

しかし、これに異を唱えたのがネッツトヨタ南国の横田英毅相談役でした。「満足を追い続けていくと、やがてつじつまが合わなくなってくる」と語られています。例えば、給料をいくらもらえば満足かという価値観は人によって違いますし、高ければ高いほど満足するということになれば際限がなくなってしまい、やがて経営に行き詰るという局面が生じるというのです。一方、「今日もこの会社で働くことができて、たくさんのお客さんに喜んでもらえ、いい一日だった」という充実感は、明日も明後日も再現が出来る状態です。その充実感は、日本理化学工業の大山泰弘会長がいう『人の究極の幸せ』を感じていることにほかならないでしょう。

究極の幸せとは、「人から愛されること」「人に必要とされること」「人の役に立つこと」そして「人からほめられること」の4つで、愛される以外の要素は社会との関わり、すなわち仕事を通じて得られる幸せであるという考え方です。

西精工の西泰宏社長も、「満足度ではなく幸福度を意識することが重要だ」と語られています。曰く、「配偶者に対して、『俺と結婚して満足か』とは聞かない」と、なるほどという指摘をされています。

■満足と幸福の違い

満足と幸福、確かに似て非なるものであると感じさせられます。

「満足」は物質的欲求を満たしたときに起きる現象といえます。美味しい食事が出来てお腹が満たされて満足、去年より賞与が120%上がって満足、といった具合です。つまり、自己中心的な概念の中にあるのが「満足」なのです。

これに対して「幸福」は、物質的欲求が満たされたときにも起きますが、それだけではなく、他者との関わりがあったときに、より明確に意識される感覚です。これは究極の幸せが、すべて「人」、つまり他者が原点になっていることからも明らかです。すなわち、自己中心ではなく自利利他的な概念の中にあるのが「幸福」ということになります。

■満足の度を過ぎると不幸になる

満足を求め続けていくと、人は不幸になるリスクが高くなるという事実があることも改めて考えておく必要がありそうです。美味しいものを食べるといった満足も、度を過ぎて追い求め続けていけば、やがて肥満となり、幸せを司る健康を損なってしまいかねないのです。宝くじに当たり、巨額の賞金を得た当選者がその後、そのせいで不幸な人生になっていったという事例もよくある話です。

逆はどうでしょうか。幸福になることを求め続けていくと・・・。

大好きな意中の人と結ばれず、とても幸福ではないというのは、幸福になることを求め続けているのではなく、所有欲という物理的な欲求を満たそうとしていることになるので、満足の範疇になります。

そうではなく、本当の幸福の追求は、日々、関わる他者との関係の質を高め続けていく行動で、見返りを求めるものではありません。今日もいい一日だったという感謝で終わる日々を重ねていくことです。

これを365日続けていけば、確実に去年よりも成長している自分を実感することができるでしょう。そして、幸福を追求する人本経営を実践し続けている経営者の皆さんの、まるで仏様のようなオーラや表情を浮かべている状態に近づいている、と手応えを感じることが出来るでしょう。

満足と違い、幸福を追求していけば、より健康である自分を実現できる可能性が高まるのです。

■目に見える満足、目に見えにくい幸福

美味しい料理や給与水準など、満足は可視化できますからとても分かりやすいのです。これに対して、幸福は目に見えにくいので苦労します。

お客様からのサンキューレターを大切にして朝礼などで社員と共有していく、社員同士がありがとうカードを交わす習慣をつけていく、あるいは年に一度社員を盛大に表彰するような儀式を行う、といった行為は、まさしく見えにくい幸福を見えやすくしようとする取り組みに他なりません。

満足と幸福の違い、そして個人が、また会社が目指すべきものはどちらが大切なのか、ぜひ一度、社内でディスカッションしてみてはいかがでしょうか。いい議論が出来たなら、いい会社といえるでしょう。

<イベント情報>

伊那食品工業&オリオン機械にベンチマークに行くツアー
「壺中100年の会 in 長野」参加申し込み好評受付中!!

7月6日(木)~7日(金)の1泊2日のベンチマークツアーを開催します。

人本経営を志すなら一度は訪れたい聖地、あの「伊那食品工業」と、社員が辞めない会社、「オリオン機械」を視察できる貴重な機会です。

お申し込み受け付けは先着順となります。
参加ご希望の方は今すぐお申し込みください!!

【詳細・お申し込みはこちらから】
 http://www.keieijinji.com/message/semina/kochu_201707.html

※お申し込みが定員に達した時点で締め切らせていただきます。悪しからずご了承くださいますようお願い申し上げます。

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2017年6月12日 (月)

「働き方改革」関連ニュース

★時間外労働の上限規制導入に向けた法改正を建議

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000166799.html

「労働政策審議会は5日、労働条件分科会が同日取りまとめた報告に基づき、時間外労働の上限規制導入などの法改正について厚生労働大臣に建議を行いました。

時間外労働の上限規制

  • 現行の時間外限度基準を法律に格上げするとともに、臨時的な特別な事情がある場合として労使合意した場合でも上回ることができない上限を設定する  
  • 上限は原則月45時間・年360時間(1年単位の変形労働時間制では月42時間・年320時間)とし、上限違反には罰則を適用する  
  • 上記規制の特例として、臨時的な特別な事情がある場合として労使協定を結ぶ場合でも上回ることができない上限を年720時間と規定する  
  • 年720時間以内で、一時的に事務量が増加する場合も最低限上回ることができない上限を次のとおりとする
    ①休日労働を含み2カ月ないし6カ月平均で80時間以内
    ②休日労働を含み単月で100時間未満
    ③原則である月45時間(1年単位変形制では42時間)を上回る回数は年6回まで」

現行の労災認定基準とされているラインに法的強制力を持たせていく格好。
また、事実上青天井だった残業時間は月100時間以上出来ないという拘束がかかる。
建議なので確定ではないが、昨今の社会情勢を考えると大きな反対もなく、時間外労働はほぼこの線で最低基準とされていくだろう。

★プレミアムフライデーより「ハッピーアワー」 定時退社でおトクに乾杯

http://www.sankei.com/premium/news/170610/prm1706100027-n1.html

「日本特有の長時間労働を改善しようと政府が働き方改革を進める中、欧米流の「ハッピーアワー」に着目したい。早い時間に入店するとお酒が安くなるサービスだ。個性的な飲み屋、一流ホテルのバー、ファミリーレストラン…意外な店でもやっている。多忙な月末に午後3時帰りを呼びかけるプレミアムフライデーよりも現実的で、サクッと上がれるときにいつでも行ける。さぁ今日は、仕事を明るいうちに片付けて…」

このほうがまさしくプレミアムフライデーより断然いい。残業削減に寄与し、飲食店も潤い、社員同士の対話も進む…三方よしが成功の秘訣であるのは鉄則といえる。実は、神田界隈の居酒屋は結構実施し始めていて、実際18時頃にはもう満杯という店も出始めている。

★ヤマトHD/大手1000社と価格交渉開始

http://lnews.jp/2017/06/j060809.html

「デリバリー事業の構造改革については、ヤマト運輸の長尾社長が、「…このタイミングで事業の構造改革を変えていこうと考えた。5月12日に発表した価格改定もその一つ」とし、大口顧客への説明では、「大口専門の全国69の主管支店から組織を法人営業支店に組織替えし、対象企業を約1万社とし、そのうち、1000社を対象に交渉をスタートしている。すでに着地点が見えてきた企業もある。取扱荷物量を8000万個減らす計画では、下期あたりから動きがでてくるだろう」と語った。
ヤマトのステークホルダーは顧客、社会、社員、株主だが、全体の価値を高めるには、今は優先順位として従業員を最優先としている。従業員の価値が高まれば、それは会社、株主にも反映し、社会にも反映する。そして人材募集や待遇など、最終的には業界全体が良くなることが大切だ」と述べた。」

業績軸から幸せ軸へ経営の舵を切り変えたヤマト。
方針通り実行しているということを伝えるニュース。
本当に世の中が様変わりしている。
ただ気になるのは「今は優先順位として従業員を最優先」という社長の発言。
今だけでなく、これから常に社員第一のはず。
まだまだこの辺の認識が気になるところだ。

★ヤマト運輸が運転手に「週休3日制」導入検討 「働き方改革」の流れに沿う

https://trafficnews.jp/post/72665/

「ヤマト運輸が、運転手を含む正社員を対象に週休3日制の導入を検討していることが2017年6月6日(火)、乗りものニュース編集部の取材でわかりました。具体的には何も決まっていないとのことですが、担当者は「業界というよりは、国全体の『働き方改革』の流れに沿ったものです」と話しています。佐川急便も6日、正社員のトラック運転手に週休3日制を導入したことを明らかにしました。正社員の多様な働き方を認めることで人材を確保し、将来的に起こりうる労働力不足に備える狙いがあるそうです。
同社によると、週休3日制で働く運転手の募集を始めたのは東京都と山梨県の両営業所。業務内容は、法人を中心とした宅配便の集配や集金などで、1日8時間の法定労働時間が適用されない「変形労働時間制」を活用し、1日あたりの平均労働時間は10時間。週休2日制と同様のシフト制で、勤務日は本人の希望を考慮します。」

変形労働時間制を採用し、週40時間の就業時間を編成して週休3日制にする働き方は今後、普及するかもしれない。保育士など有効求人倍率が異常に跳ね上がっている業種では、現実的な対策になってくる可能性が高い。問題は週4日は10時間働くけれど、休日が3日になることを望む労働者がどれだけいるかということだろう。そのニーズがある、一定の労働者層があればヒットしそうな働き方だ。

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第688号『働き方改革に着手する前に必ずすべきこと』

社会的事象となってきた「働き方改革」。

それゆえに、いろいろな反動や不平不満が沸き起こっているようです。NHKの『あさイチ』では7日、「大丈夫?あなたや夫の“働き方”」というテーマに寄せられた視聴者のメールやファックスを紹介していました。

  • 「制度が先に決まってしまって、社員の準備ができていない。無理やり回っている感じ」(医療周辺機器販売の40代男性)
  • 「人数変わらないまま、仕事量減らないままなのに、早く帰れ、早く帰れと言われるので、実際は残業が増えています」(金融業の40代女性)

不満がたまっている現場が少なくないという報告がされていました。視聴者からの意見聴取は言いたい放題で事実確認がされていないことと、報道側がどういう意見を採択したいかという作り手の思惑が働きすぎるので、六分くらいの感覚で受けておくことが適当かと感じますが、こうした意見が少なくないことは充分に想像できるところです。

最近、ヤマト運輸の事例を掘り下げていますが、働き方改革は業務量と人員充足状況の現況分析をきちんと実施したうえで、望まれる状態へ改革を進めていくという大前提をふまえていかないと早々に頓挫していくであろうとことは火を見るより明らかです。

■5年間の傾向分析を行う

まず、以下の項目について過去5年間の傾向分析を行っていくことでしょう。

  • 社員数の推移 ―― 採用数・離職者数(離職理由も)・離職率・3年定着率
  • 業務量の変化 ―― 顧客数・商品数・取引数
  • 業績の動向 ――― 売上高・粗利益(率)・経常利益(率)

社員数、業務量、業績がこの5年間でどう変化してきているのか、まず分析してみましょう。右側にある細目のどれが適しているかは、会社によってそれぞれでしょうが、実態がより反映できる分析をしていきます。

その分析結果から今後の改革の方向性を検討していきます。

社員数<業務量

ヤマトがまさにこれです。10年間で社員数は130%となっていますが、業務量が160%となっています。人が採用出来ているのに、人手不足を招いているこの場合には、業務量調整をしていかないと労務倒産というリスクがあります。ヤマトは大口のアマゾンから当日配送を撤退するという大胆な手段を講じました。自社でこの状態がこの先も続くことが予測されるならば、現状の取引のあり方を見直すことを断行していく決断が必要です。

社員数>業務量

残業を減らせと会社は求めますが、それでは生活が出来ないというパターンがこの場合には多そうです。働き方改革というテーマより事業計画そのものの見直しが必要でしょう。人本主義社会の進展に伴い、「幸せ創出」という命題に、自社の資源を活用してどのような有効供給が出来るのか、全社一丸になる好機と捉えて経営革新にのぞみましょう。

業績の動向については、売上高よりも利益が重要です。業務量調整や新規事業開拓していく際には、どれだけ利益貢献があるのかが、売上よりも重要な指標となります。

大規模量販店が圧倒的な勢いで周辺市場に展開してきたときに、それまで利益に貢献してくれた顧客に絞って高付加価値のサービスを適正価格で提供することを実現し、安定経営を実現した「でんかのヤマグチ」の事例は伝説です。売上は激減しましたが、粗利益率は量販店のそれを凌駕する実績を出し続け、持続可能性を高めていきました。

現在の会社の状況についてきちんと情報公開したうえで、今後進むべき方向性を指し示し、社員一人ひとりに協力を求めていく丁寧な対話をしていけば、不平不満は起きないはずです。今、この時期に「働き方改革なんてどーせ無理」と放置する企業は、早晩その役目を終えてしまいます。真剣に考えましょう。

■今週号のニュースソース

★「働き方改革」掛け声倒れ!あさイチに殺到した「かえってサービス残業増えた」
 https://www.j-cast.com/tv/2017/06/07299935.html?p=all

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2017年6月 7日 (水)

「働き方改革」関連ニュース

★「働き方改革」取り組む企業は60% エン・ジャパン調査

http://news.mynavi.jp/news/2017/06/01/220/

「エン・ジャパンは5月31日、「働き方改革」に関するアンケート調査結果を発表した。同調査によると、60%の企業が働き方改革に取り組んでいるという。今回エン・ジャパンでは、同社が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」上で、企業471社を対象に「働き方改革」に関するアンケート調査を行った。まず、働き方改革に向けた取り組みを行なっているか聞いたところ、60%の企業は「はい」と回答。働き方改革に取り組む企業が多いことがわかった。一方、取り組んでいない企業は、44%が「企業規模が小さい」を理由に挙げている。」

わすが6割の企業しか働き方改革に取り組んでいないという調査結果。
記事ではこの割合が多いとして指摘。逆にそんなに少ないのかと感じた。
しかし、これが事実だとすると、変わらない企業はやがて行き詰り、淘汰されていく可能性が高いとみられ、やはり少子化の流れと同じ減少規模感になりそうだ。
あっと気づいたときに一気に変えられないのが社風、企業文化。
時間をかけて醸成が必要だということにどうか気づいてもらいたい。

★20代の9割が終身雇用を支持? IoT時代の働き方の改善に立ち塞がる課題を打開する「スキル革命」とは

http://news.livedoor.com/article/detail/13138330/

「今、企業や労働者の双方にとって、雇用や組織の在り方について見直す分岐点と時代が訪れていると言えるだろう。(中略)こうした状況を生み出しているのが、日本の「終身雇用制度の支持率」の高さだ。実に、日本では20代でも9割近くが終身雇用を支持している状況なのだ。また日本企業における長期雇用を前提とした人材教育も労働者の柔軟なキャリア変更を妨げていると考えられている。」

レポート内容自体は、具体策に乏しくてほとんど参考にならないが、20代の9割が終身雇用を支持しているという調査結果が興味深く紹介した。
記事ではそのことを否定的に扱っているが、永続を目指す人本経営を実践している企業の多くは、当然長期の雇用を考えていて、社員をじっくり育てようという人材育成方針を打ち出していくことを鉄則にしている。そのほうが自然であることは疑いようがない。
キャリアアップして、どんどん転職をして自己実現していくという、そんなサクセスストーリーはないとは言わないが、今の若者はそれが不自然だと感じていることがわかるニュースである。
「平成生まれの若者は人本主義に親和性か高い」という仮説を、現実のベンチマークを通じて検証してきているが、それをまた裏付けるような調査結果と感じた。

★足利銀、働き方改革支援に新融資

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO1709196030052017L60000/

「めぶきフィナンシャルグループ(FG)傘下の足利銀行は、栃木県内で働き方改革に取り組む企業を支援する融資制度を7月3日から取り扱う。厚生労働省栃木労働局の認定企業を対象に、最大年0.2%低い金利で貸し出す。
県内企業が子育て支援や女性登用などに積極的になるよう促す。地銀では池田泉州銀行に続く珍しい取り組みだ。
融資制度の名称は「働き方改革応援融資」。厚労省が定めた基準を満たし、子育て支援の「くるみん」、女性活躍推進の「えるぼし」、若者雇用促進の「ユースエール」、過重労働防止などの「安全衛生優良企業」のいずれかの認定を栃木労働局を通じて得た企業が融資を利用できる。」

これは面白い。金融機関の貸し出し審査が人本主義基準に近くなれば、世の中の変革もより一層進むことになるだろう。関東では栃木県が人本主義的な地域活性化が先進であると認識しているが、やはりそういう地区からこういう取り組みが出てくるものだと納得。

★このままでは「人手不足倒産」という悪夢が現実になる 「バブル期超え」を喜んでいる場合か

http://news.livedoor.com/article/detail/13136821/

「遂に「人手不足」がバブル期を上回る水準にまで達してきた。厚生労働省が5月30日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.48倍と、前月に比べて0.03ポイント上昇した。バブル期のピークだった1990年7月(1.46倍)を上回り、1974年2月に付けた1.53倍以来、43年2カ月ぶりの高水準を記録した。人手不足の中でいかに人材を確保するかが、今後、企業経営者にとって大きな課題になることは間違いない。」

就業者数全体の数はピークだった1998年1月の6560万人に近づいているのに、人手不足状態になっていると記事は伝えている。ヤマトの例をみても明らかだが、インターネット革命や過剰サービスによって、社会全体の業務量が膨大に増えていることが人手不足問題の背景にあるのではないだろうか。セブン・イレブンとまさしく店名になっているように、かつてコンビニは朝7時から夜11時までが営業時間だった。それでいいのではないだろうか。決して生活の質が落ちるとは思えない。

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2017年6月 5日 (月)

第687号『出生数100万人割れ~不退転で人本経営を実践する』

先週、少子高齢化が解消の方向どころか、さらに進展しているという衝撃の報告がされました。とうとうわが国の出生数が100万人割れとなってしまいました。以下、6月3日の日経新聞で「30代前半も出生率低下 育児環境・働き方改革が急務」とタイトルづけされた記事を引用します。

30代前半も出生率低下 育児環境・働き方改革が急務

日本の少子化に歯止めがかからない。厚生労働省が2日発表した人口動態統計によると、2016年の出生数は100万人を割り込んだ。上向く兆しのあった出生率も伸び悩む。政府は「一億総活躍」を掲げ、経済の活力向上に取り組むが、肝心の人口維持は絶望的。流れを変える思い切った政策が問われる。

出生数のピークは1949年の269万6638人。当時は団塊の世代が生まれた第1次ベビーブームのころ。今はこの3分の1程度しかない。

出産適齢期の女性の数が減り、未婚率が上昇したのが響いている。これまで出産適齢期の人数が減っても、30代の出生率は回復していたが、16年は30代前半の出生率が11年ぶりに低下。20歳代の出生率は低下傾向が続くだけに、30代の失速は今後に尾を引く。

(『日本経済新聞』2017年6月3日より)

出生数は、高度成長をもたらす要因となった団塊の世代の頃に比べ3分の1にまで落ち込んでいるということです。単純に考えると今後、経済規模が3分の1になっていくプロセスをわが国は確実に進んでいるということになるでしょう。

すでに事業者数はピーク時であった1986年の535万者から2014年の380万者に減少していることが発表されています。すでにほぼ3分の2の水準となっています。今の少子高齢化の流れのままで推移していくと、30年後には200万者程度になってしまうのではないかと危惧されます。

実際、人手不足で若手が採用できない企業は、高齢の労働者だらけになり、やがて命運が尽き果てるしかありません。若い人が働きたくなるような会社をつくらないとこの先、確実に企業寿命は30年しかないという危機感を経営者はもたなければなりません。

だからこそ働き方改革が叫ばれている訳ですが、会社を変えるときには抵抗勢力が出てくる、ということが往々にしてあります。既存の価値観に慣れ、変わろうとしない古手の社員たちの抵抗です。

これに人本経営の実践を阻まれるケースが実際にあります。

経営者の本気度が試されるところです。しかし、この試練を乗り切るからこそ、30年後、そしてその後も永続する企業になれるのです。

不退転で「人を大切にする人本経営」を根づかせる努力を本気でしていきましょう。

業績軸から幸せ軸へ経営の舵を切り変えていこうとしたときに、変化をきらう社員が出てくるかもしれませんが、冷静に考えれば社員にとって、それは間違いなく望ましい方向への経営革新なのです。ですから、「そういう方向へなら自分もよく変わっていきたい」と考えて行動をし始める社員もまた必ず出てきます。

■変わろうとする社員中心の会社をつくる

抵抗勢力との丁寧な対話は不可欠ですが、彼らが変化することを待っていては事が前に進みません。変わろうとする社員さんたちの方に視線を合わせて経営革新、働き方改革を進めて行くことが重要です。

長時間労働が当たり前、仕事のノウハウは盗んで修得する、寡黙に仕事を進めていく、などといった従来の業績軸ベースの会社のやり方が長く体に沁み込んでいる古手の社員は、会社で実権を握っていることもあり、社長のしようとしていることに耳を貸さない態度を取ったり、場合によっては宗教的だなどといったりして批判行動に出てくるかもしれません。ここでは怒らずに、間違いなくいい方向へ会社を導いていくのだという確信をもって、変わろうとする社員をサポートしていきましょう。そして、何より社長自身が日々、幸せを実感している状態を自ら作り続けていくこと、これが重要です。

<今週号のニュースソース>

★出生数 初の100万人割れ 16年、出生率も低下1.44
 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO1726775003062017MM8000/

★30代前半も出生率低下 育児環境・働き方改革が急務
 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO17259370S7A600C1EA1000/

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