« ★年末二大イベント | トップページ | ★年末3大イベントのご案内です »

2011年11月 7日 (月)

第409号『職場での幸せ4原則実践法 Ⅱ』

前号では職場での幸せ4原則の実践のための第一ステップ「必要とされている実感をつくる」についてまとめてみました。まず、やらされ感を排除して期待をかける、そして必要な道具をそろえることと提言いたしました。この段階で自分自身の役割が明確になり、自発的に仕事をしようという動機づけがはかられてきているでしょう。続いて「役に立った」以降について考察してみることにいたします。

その二、役に立つということ

各人の仕事をして、それが役に立ったと感じるためには、具体的なフィードバックがセットで必要になります。

□ 感謝状、サンキューレターなどを共有化する

役に立つということを確実に実感できるのは、顧客からの感謝があった瞬間です。感謝状やサンキューレターが届いたら、必ず社内での共有化をはかっていきましょう。社内報を発行しているのであれば、格好の記事対象になります。また、その事例を朝礼の場で取り上げて組織的に士気を高めることも意義があります。

□ 役立ち目標を設定する

仕事を通じてどのようなことで役立ちを実現していきたいか、ということを明確にする習慣をつくります。目標管理制度を導入しているのであれば、今期の役立ち目標、今月の役立ち目標などを設定させていくことで、誰かの役に立つ仕事をし続けているのだという意識を啓発することが出来るでしょう。制度がなくとも役立ち目標を設定させることは、仕事を意味あるものにしていくために重要です。

その三、ほめることを仕組化する

役に立つ仕事を実践できるようになると、自ずとこの‘ほめる’という行為が伴ってくることは明白ですが、さらに表彰制度などのように制度化して、ほめることを仕組にしていくとさらに効果的になります。このテーマについては当通信でも何度か取り上げてきました。365号394号を参考にしてください。

その四、愛されること ~ 新・三方よしの実現

愛されることは、仕事以外でも得られることです。そのためには家庭生活が充実していることが必要条件になります。かつて近江商人が「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三方両得の理念を商売の根幹に据え、社会の信頼を得ていったことは有名です。現代において三方よしとは「社員満足」「顧客満足」、そして「家庭満足」の3つの満足の充足度を高めていくことであると考えています。人を大切にする永続経営の実現を目指すならば、この三方の満足なくしてその実現はありえないからです。

「社員満足」は本稿の幸せ4原則を追求していくことで果たすことが出来るでしょう。「顧客満足」については対会社、対経営者ではなく、エンドユーザーにいかに満足を与えているかということが大切になってきます。エンドユーザーに対する満足度調査を徹底し、満足を高める努力をし続けることが求められます。「家庭満足」についてはこう考えます。かつて高度成長の頃は、モーレツという言葉があったように、夜遅くまで残業を厭わず仕事漬けになるサラリーマン像がひとつの象徴でありました。しかし、時代は変わり、もはや夫婦共働きが当たり前の状況になってきました。言わば男性だけが家庭の所得を背負うことはなくなったのです。長時間労働を社員に強いて存続する経営は、その社員の家庭満足のための時間を犠牲にさせて成り立っているのです。そんな経営が持続可能な訳がありません。いい仕事をしてもらうための源泉は家庭円満にこそあります。このことを今後、経営者はしっかりと意識しておく必要があります。

□ 残業時間は月30時間をMAXとする

理想的には毎月毎日がノー残業デーであることに尽きますが、家庭を省みる最低限度の時間を確保させるという観点、また現在の労働法規から逆算していくと、現実的には残業時間を月30時間以内に抑え、生産性を保ちながら経営を維持継続させていくことが命題といえるでしょう。

この家庭満足をはかることを考えていくと、新たなビジネスチャンスが生じる可能性も非常に高いと思われます。少子化の流れを食い止めることはわが国の重要かつ喫緊な課題でもあります。企業経営を通じて労働時間を短縮することで、この課題解決に直接的に貢献することができます。また、時短に向けて努力を重ねていくことでいろいろなアイデアが出てくるに違いありません。うまくいくと自社のサービスや技術を使って新たな事業が生まれてくるかもしれません。そして、家庭満足を高めている会社というイメージは、社会からすれば愛すべき会社という存在になってくるのです。

いかがでしたでしょうか。新しい経営のイメージが掴めていただけたとしたなら幸いです。経営理念をしっかりと理解した社員が、その自発性に優れた行動によりお客様満足を高める仕事を生み出し、実践し続け、それを適正な労働時間で実現させることで新・三方よし経営が実現されていきます。


        いい会社に関する最新情報発信中
 http://www.keieijinji.com/(経営人事ドットコム)

|

« ★年末二大イベント | トップページ | ★年末3大イベントのご案内です »

新SVC通信」カテゴリの記事